« かぼちゃシチュー | トップページ | 『不機嫌なメアリー・ポピンズ イギリス小説と映画から読む「階級」』 »

「少女には向かない職業」

少女には向かない職業
桜庭 一樹著
東京創元社 (2005.9)

タイトルが気にくわなくて読もうとも思わなかったのだが、更・ぅれしぃがらし日記「少女に刃向わない心情」を読んで、物語の舞台に興味を引かれて、図書館にリクエストして読んでみた。


うん、面白かった。中学生の世界としては。
母親がえらくのっぺらぼうに描かれているところも、実はリアルなのかもと思うと怖い。
いろいろな描写に、自分の知っている彦島の風景(主に中部、北部)を加味しながら読んだ。とても楽しめたが、彦島を知らない人に、どこまで想像が湧くのか、よくわからない。
そして、この作品に「下関の沖合いの島」という設定がどこまで意味があるのか(つまり、特定の町を設定することに)ちょっと疑問にも思った。
この風土を活かした設定にするのなら、ちょっと実態をうつしていないかなあ。
海の向こうに近くて遠い大都会として、小倉という町があることとかを加味したら、面白い設定だと思うけれど。まあ、中学生の世界からははみ出しちゃうのかな?


以下は、物語の舞台「彦島」説について

参考リンク
1本足の蛸「彦島」
1本足の蛸「用意するものは日本地図と東京創元社解説目録です、と桜庭一樹ファンは言った」

現実の彦島は、老人が多いのは事実として、造船所や鉄工所、化学系の工場、半導体関連の大規模な工場、水産加工工場などが建ち並ぶ一大工業地帯だったりします。
そして、彦島にマクドナルドはない。
たいてい、島外に進学するけれど、彦島に高校はある。それも中高一貫(はじまったばかりか)で寮まであるような大きなのが。

・下関に大学病院はない。と言うより、下関には市立大、下関短大、梅光学院大学と東亜大学しかない。(水産大はのぞいてもいいよね)。大きい総合病院は旧国立病院か済生会病院くらい。

・旧日本軍の砲台やら城塞の跡??あっちこっちにあるけど、多分女子中学生はそんなところをのんきに一人ではうろうろしない。男子と違って身の危険を感じるからなあ。

・「ツインテール」は女子中学生用語、あるいは女の語彙ではない。
参考リンク
ぬるヲタが斬る「「ツインテール」、それはオタク内だけの呼称だった……らしい。」

・下関と彦島を結ぶ関彦橋は銀色ではない。

・彦島に存在する漁港の近くに繁華街はない。

・灯台の廃虚???
竹の子島にも砲台があるそうなので、漁港、砲台、灯台?などの要素はあり得るが、灯台の廃虚は現実にはかなり難しいと思う……灯台というのは使われなくなったら撤去されるからです。それも螺旋階段があるようなのは絶対。
砲台は旧日本軍に限らず、長州藩の作ったものもあちこちにたくさんある。関門海峡とはそういうところだ。

その他も思いついたらまた書きます。

|

« かぼちゃシチュー | トップページ | 『不機嫌なメアリー・ポピンズ イギリス小説と映画から読む「階級」』 »

下関ネタ」カテゴリの記事

書籍・雑誌」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/43901/7787402

この記事へのトラックバック一覧です: 「少女には向かない職業」:

« かぼちゃシチュー | トップページ | 『不機嫌なメアリー・ポピンズ イギリス小説と映画から読む「階級」』 »