« 「火の山 山猿記」 | トップページ | 「ヒストリアン」I,II »

それってつまり、早い者勝ちって言うこと?

それってつまり、早い者勝ちって言うこと

いろいろ考えた。
「ふたごふたごふたごみつご」こどものおいしゃさん日記から始まる一連の記事に指摘されている問題と、不妊治療の開始時期(この表現はそもそも変だと思うけど)を分散することについて。
初めての視点で、うんと新鮮で、とても面白かった。
不妊治療についてはどんどん詳しくなっていったけれど、妊娠しないうちはその後については無知なまま。
妹の子どもが早く産まれたので、NICUにお世話になったんだけど、それがなければ、そっちの分野の医療について知っていたことなんて今の半分以下なのは明らかだし。
でも多分、ほとんどの患者にとっては「不妊治療の開始時期を分散する」とは、意味のないことだろうと思う。

若い患者もいるが、せっぱ詰まっているのはみな30代以降。だれもが、1月でも早く治療を開始し、妊娠することを望んでいる。
わたしもそうだった。一旦中断した治療を再開できるようになるのを、自分の年齢を考えながら、じりじり待っていた。
1月待てば、それだけ卵子の質は落ちる。排卵誘発しても卵子の数は増えない。受精率は下がる。受精しても分割する卵が減る。そして、たとえ複数ETしても、トータルの着床率も下がる。

多くの患者が治療を望むから、その時期に生まれる未熟児が多くなるという明らかなデータが出てくるとはとても思わない。
確かに、結果が出る(妊娠する)患者は、治療回数が少ない方が多い。
人工授精なら6回以内、体外受精以降なら3回以内に成功者の半分以上がおさまるという。
つまり、妊娠するひとはさっさとするが、最初の数回でできなかったひとは、延々と治療を繰り返し続けるということ。
結局「いつ」開始するかにはあまり有意性がないと思う。

逆に、いつ(何月)治療をすれば着床率、妊娠率が上がるという明確なデータがあれば、将来的にさらにその時期の未熟児出生数は増えるだろう。
誰だって、ほかの月、周期は休んでも、その月は治療したいだろうから。

体外受精以降の治療にはばく大な費用がかかるから、確かにボーナス時期との関連はあるかも知れない。最初の一回目の成功率はけっこう高いらしいし。
でも実際には、体外受精をしなくてはならないと判断される患者はほとんど(わたしは違ったけど)、着床障害以外にも何らかの原因を持っているはず。
加えて過排卵は身体への負担が大きいから、だれでも毎月できるって言うもんではない。
実際にはそれほどボーナス月直後には集中しないのではないか。
実際わたしも、お金には余裕がなかったが、体外受精に踏み切ったのは(実際に支払いをしたのは)、ボーナス月の直前だった。

もし、出産時期の分散を目的に、治療の日程をずらすなんていうことが実際に可能だろうか? 不妊治療をしている施設が、月当りの実施回数に縛りを設ける?
もしそれが実現するとしたら、多分それは、「早い者勝ち」と呼ばれるシステムになると思う。
患者からしてみれば、明らかに治療機会の損失である。

従うしかないのか
> たとえばの話、開始時期をこの時期までずらせて頂いたらこの程度安全が向上しますよ、との説明があったうえで(そもそもそんな関係があることが科学的に立証された上でですよ)、時期調整という選択肢もあると示されたらば、たとえば3ヶ月でも資金を貯金してじっと待つというのは考慮の余地のないことでしょうか。

もし、受精卵を凍結してあって、その3ヶ月、内膜の状態をよくするために待つなら待てるかも知れない。
でも、その3ヶ月、排卵誘発などの治療を始めることをただ待つっていうなら、無理だと思う。3ヶ月待ったら、ホルモン治療を続けていた身体には、もう次はないかも知れないんだから。今月排卵したからといって、来月も同じようにするとは限らない。まだ若くてもいきなり閉経するひとだっている。
そして、一度走り出したら、ちょっと立ち止まろうと思っても出来ない可能性があるのが不妊治療。
それに、受精卵のグレードがよくなくて、凍結はしてもらえなかったら、せめてETだけはしたいとおもうだろうし、複数あったらなるべくたくさん、少なければ全部戻したいと思うよ。それは仕方ないことだ。
ただ、リスクをどうとるかという話はもちろん大切なんだけど。
でも不妊治療している人には、まず「妊娠する」ことが何より最優先な訳で。
また堂々めぐりになっちゃうかも……
でも、NICUが込んで大変な時期があるって言うことを知ることは無駄にはならないと思うけれど、でも実際に自分で加減するのは無理かなあ〜(^^;
もちろん、 「高いお金を払うのだから未熟児なんか要らない」なんて話は聞いたこともないです。逆に、出生前診断で異常が出ても、次はないかも知れないから、中絶しないっていうのは聞いたことあるけど。

実はこちらのブログにたどり着いたのは、「熊の赤ちゃん」「体重」で検索したら、学会の途中で抜け出して行ったという、旭山動物園の記事が引っ掛かったからです(笑)
その後、一週間ぐらい、過去記事を読みふけってしまいました。
素晴らしいブログだと思います。
妊娠出産医療について興味のある人はぜひ読んでみて。

|

« 「火の山 山猿記」 | トップページ | 「ヒストリアン」I,II »

コラム」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

大変興味深く読みました。1月出産ってラッキーだったのかな・・・それなりに混んでたけど。双子が2組いたなぁ。かかりつけの病院から母体搬送で出産前に入院できたので、NICUのベッドを確保した状態で産めました。
娘は早産で1520gで生まれNICUには約3ヶ月御世話になりました。
色んな事を思い出してしまう。
ちっちゃい赤ちゃんを前に触ったら壊れそうで、そーっと手をなぜることしか出来なかった事。初めて抱っこをした時に手のひらから肘までの間にすっぽりおさまってしまった事。
この子の命を助けてください。毎日とにかく祈る日々
あ、泣けてきちゃった。

NICUの状況に合わせて加減っていっても予定日に産まれるわけじゃない。ずらしてもその分早産になったら意味ないでしょう。それなら状態のいい時に妊娠の可能性に賭けたほうがいいって思います。
とりあえずNICUのある病院は調べておくべきだね。

関係ないけど、近所の妊婦さんが自転車に平気で乗っていて、見ててものすごく怖い。一人目の子も大事に育ててなくて見ていられない。

投稿: imouto | 2006.07.01 23:55

大事に育てていないって、穏やかじゃないね。
まあ、自転車はお勧めできないけど。

投稿: luna | 2006.07.13 15:03

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/43901/10551660

この記事へのトラックバック一覧です: それってつまり、早い者勝ちって言うこと?:

« 「火の山 山猿記」 | トップページ | 「ヒストリアン」I,II »